ピューター製スキットル

TaKa

2008年02月06日 15:30


 最近はステンレス製が巾をきかせてますが、スキットルボトルの伝統素材といえばピューター製です。ピューターは錫を主な成分とする合金で、融点が低く加工しやすいという特徴を持ちます。また錫は、不純物を吸収する性質があり、液体を浄化するといわれ、皿や酒器、花瓶などに古くから用いられてきました。かつてイギリスには世界最大の錫鉱山があり、14世紀にはロンドンが世界最大のピューター製品生産地であったことから、狩猟時の携帯酒器たるスキットルボトルの多くが、ピューター製であったことは当然といえるでしょう。

 こちらは、槌目が特徴的な英国製の物。底の刻印は薄くてよく読めませんが、ENGLANDとだけは何とか見えました。4OZで容量と携帯性のバランスが丁度良いですね。ピューターは軟らかいので傷が付きやすいですが、槌目だとあまり目立たないためか、こうしたデザインの物が多いようです。

 
ピューター ENGLAND製高級フラスコ

●材質;ピューター
●容量:4オンス
●サイズ:およそ高さ115mm、幅79mm
●重量:130g
●英国シェフィールド、Pinder Bros社製



 こちらはタイ国KINNGS社製の物。タイもピューター製品の製造が盛んで、お土産物などによくみられるようです。スキットルは英国製に比べ肉厚なのが特徴で、重厚な感じのするものが多いです。

 
ROYAL KINNGS(ロイヤルキングス) ピューターフラスコ KW5

●フラスコ本体
●材質ピューター:錫97% アンチモン2%銅1%
●サイズ: 高さ120mm、容量:180ml
●タイ国製




 これは一番最近手に入れたもの。底には、印鑑のようなロゴマーク2個と、ENGLISH PEWTER  SHEFFIELD ENGLAND と刻まれています。シェフィールドは、イングランド中部にある金属加工業を中心とした工業都市です。外蓋はカップ代わりになります。猪が描かれていて、ちょっと東洋っぽい図柄にもみえますが、狩猟時の携帯酒器ですから、それらしい図柄ですね。


 ピューター製スキットルボトルは、傷に弱い点を除けば、比較的錆や腐食に強く、手入れは容易な方だと思います。鋳物ですので漏れにも強いのですが、口金部分は接合してあるので、アルコール度の低い液体を入れっぱなしにしとくと、そこから漏れを起こすようになることが多いようです。私は2つほどダメにしました。

 そのほかピューター製スキットルボトルは、 こちら からご覧になれます。


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